2月3日は節分の日でした。平井の本棚では二階イベントスペースで、東京ゲーム交流会の三田さんの主催により、アナログゲームの会が行われました。お店に着いて、私が二階へ上がってゆくと、男性お二方で何やら壁に床に視線をやりながら話している。ひとりは近々予定されている二階リノベーション担当のUさん、そしてもうおひとりが三田さんでした。
私を加えて三人で、最初のゲームをゆるく始めます。これはチョコボールみたいな箱の中に数種類の豆が入っていて、振って出た豆によって勝負するもの。たとえばひよこ豆が四つ揃ったら勝ち、というふうな具合です。テーブルの上にばらばらと妙に精巧な造りものの豆がちらばる、なんともシュールな遊びでした。
しばらくすると平井の本棚店主がたまたま訪れてくださっていたお客さんを一人連れ込んで(と言ってよいのか分かりませんが)、五人で豆のゲームその二を開始。これはなかなか規則のこまかいもので、簡単に要約すると豆を植えて育てて、時に市場で豆を仕入れ、時に同業の豆農家を騙して豆を奪い、時に騙され、……最終的に育てた豆を換金してもっとも儲けた者が勝ち! という遊びでした。
それからもう少し軽いものを、ということで、みんなで物語をつくるゲームをしました。始めにカードを引いて結末を選び、その後「島」とか「子ども」とか書かれたカードを順番に引いてはその言葉を用いて物語を語り、結末へ向けてすすめてゆくというもの。さて、私たちのつくったお話は、どこかの町の本屋さんにやってきた子どもが大豆ときびだんごを間違えたり、頼んでおいたはずの本がなかったり、紆余曲折はありましたが、とにかく(素性のよく分からない)ふたりは居酒屋で飲んで食って親睦を深め、店を出るとスーパームーンの満月が光っておりました。ああ、これは月が綺麗ですね。ええ、ほんとに……。そしてふたりは無事に結婚して仲よく暮らしたそうです。めでたし、めでたし。
リノベーションとその後のイベント予定などを話しあいながら解散しました。ところで節分を境に暦の上では春ですが、これを書いている4日立春はとても暖かく春めいた一日になりました。私は今春のうちに平井の本棚フリーペーパーを創刊する役をおおせつかっておりますので、そちらのほうでもうまくことを運べるよう祈りながら、帰途に就いたのでした。
文責 satori